• Division of Microbiology (Kanda lab), Faculty of Medicine, Tohoku Medical and Pharmaceutical University

地震その後、「感染地図」、教員募集など

早いもので令和2年度も終わろうとしています。仙台は昨日(3月28日)桜も開花し、今日はかなり気温も上がっています。
ここ二カ月は目まぐるしい日々が続き、福室キャンパスの冬の定番である白鳥観察も忘れてしまうほどでした。3月11日は東日本大震災から10年の節目でしたが、その前後2回(2月13日夜と3月20日夕方)大きな地震がありました。特に2月13日の地震でオープンラボ形式となっている7階共同実験室にかなりの被害が出ました。二度あることは三度あるで、次に備えなければいけません。

2/13地震直後、神田ベンチの惨状
(解剖学・上条先生ご提供)

最近の仙台におけるコロナ感染拡大に、震災10年、あるいは2月13日の地震被害の復旧のための人の流入があったことが関連しているという見方があるようです。感染症疫学が注目されていますが、さすがに疫学的にこの因果関係を証明するのは難しいだろうと推察します。感染症疫学といえば、最近「感染地図」(Sジョンソン著、矢野真千子訳、河出文庫)という本を読みました。1850年代にロンドンで起きたコレラの大発生をめぐる物語です。人間が過度に集中した「都市」がこの世に初めて出現した時、どのようなことが起きたのか、都市に暮らす私たちがなかなか意識できないことに気づかせてくれるという点で、大変興味深い読書体験でした。微生物学、感染症学をこれから学ぶ学生諸君にも一読を薦めます。

話は変わりますが、当教室の矢島助教が4月1日付で長崎大学に転出することになりました。日本人扁桃由来のEBウイルス株を解析した論文(プレスリリース)をまとめ、一区切りついたところでの転出なので、この上ないタイミングといえますが、しばらくは現有戦力で頑張らなければいけません。ということで新たに教員を募集しています。詳細は大学HPの公募情報あるいはJREC-INをご覧いただければと思います。