• Division of Microbiology (Kanda lab), Faculty of Medicine, Tohoku Medical and Pharmaceutical University

「実験第一主義」

昨日、3年次学生2名による課題研究最終日でした。約1か月という短い期間でしたが実に熱心に様々な実験に取り組んでいました。論文抄読は新型コロナウイルスS蛋白質の宿主プロテアーゼによる開裂に関する論文(Mol Cell, PNAS)を1報ずつ読んでもらいました。実験初心者にとっては読みやすい論文ではなかったと思いますが、やったばかりのRT-PCRや蛍光免疫染色の知識を役立てつつ、自分の力でしっかりと読めていました。この課題研究期間中に、私(神田)にとって研究面で重要な前進がありました。学生と行った実験(その実験自体はネガティブデータでしたが)の結果にヒントを得て、実験方法を一から見直したことで得られた成果です。実験をきちんとやること、結果をよく吟味すること、その結果やるべきことが見えてくるのは実験の醍醐味です。私の大学院時代に「研究第一主義というのはおこがましいが、俺は実験第一主義だ」という院生仲間がいました。(ちなみに研究第一主義はその院生仲間と私の出身大学がかかげる理念です)私はこの「実験第一主義」という言葉を研究生活における密かなモットーにしています。関連論文を事前に読みまくって、無駄な実験をなるべくやらないという考え方もありますが、論文を読むことで失うものもあります。「論文を読むな」というのは「細胞融合」で有名な故岡田善雄先生による金言です。実験第一主義のもと、学生、教員ともに満足のいく課題研究になりました。

ところで9月中旬には生化学会が「完全web開催」で開かれました。私も参加しましたが、一言でいうと大成功だったと思います。学会の新たな形がそこにありました。当教室のような人手がない研究室では、学会期間中も実験できることが何より画期的かつ有難いことでした。某シンポジウムで大変面白い成果が発表され、大きな刺激を受けたわけですが、そんな時、即座に関連情報を検索したり、印刷して細かいところまで確かめたりできるわけで、これも大変便利です。さて今度10月1日-3日に広島で開かれる癌学会は現地とwebのハイブリッド開催です。私は感染がんのInternational sessionで発表機会をいただき、会場で発表します。広島空港の離着陸が少し怖いのですが(以前、あそこでゴーアラウンドの経験あり)。

課題研究最終日 質疑応答中