• Division of Microbiology (Kanda lab), Faculty of Medicine, Tohoku Medical and Pharmaceutical University

国際会議感想

バンコクで開かれた日米国際会議に課題研究学生1名とともに参加してきました。仙台からの直行便での往復です。就航してから半年もたっていないのに、「タイから日本への渡航自粛中」のため、機内は行き帰りともガラガラでした。
おまけに私たちが入国した翌日からは、タイにおいて「日本からの帰国者は2週間要観察」との措置が始まりました。

新型コロナウイルスが感染拡大する日本からの参加者を多数迎えたわけですが、ホスト国であるタイは臆することなく会議を運営していました。街中では、高架鉄道、地下鉄の車内で若い人を中心に1割程度の人がマスク着用でした。
会議は前半2日間がEmerging Infectious Disease (EID)の国際会議、後半2日間はviral disease, cancer, immunologyなどいくつかの会場に分かれた分科会という成り立ちです。私はcancer panelのオーガナイザーである国立がん研究センターの清野透先生にお声かけいただき、「ゲノム編集技術を応用したEBウイルス株の多様性に関する解析」について発表しました。

今回特に印象に残ったのは、2日目のCOVID-19に関する特別セッション、およびHPVワクチン関連のセッションです。COVID-19のセッションではSingapore-DukeのLinfa Wang教授の講演が臨場感満点で圧巻でした。彼は英語、中国語のバイリンガルで、中国語のSNS情報を独自に入手し、誰よりも早く正確な事態を把握していたということがよくわかりました。HPVワクチンに関する発表は、接種率が低迷するわが国の医療関係者の一人として複雑な気持ちで聴講しました。米国やオーストラリアでは、「接種する・しない」の議論はとっくに「接種すべき」という結論が出て、現在は「接種は1回で十分かどうか」が議論の中心です。

全体を通してJapanese Delegation Chair(日本代表団長)である倉根一郎先生が、開会宣言、座長、そして随所で的確な質問と大活躍されているのに大変感銘を受けました。

夜のタイ料理のおいしさはもちろんのこと、会議のお弁当もおかずの卵焼きや親子丼など日本側に配慮されており、大変おいしくいただきました。機会を見つけて是非再訪したいと思います。

留学先のSalkで当時同じフロアでPIだったTom、ポスドク仲間のDavidと20年ぶりに再会しました。