教室の北村さんの論文がVirology誌にpublishされました。open accessとしましたので多くの人に読んでもらえたらと思います。
私たちの先行論文(Yajima M et al., J Gen Virol, 2021)での発見(プレスリリース「日本人に感染しているEBウイルスが他のアジア地域のEBウイルスと異なることを発見」)をさらに進めた仕事です。2021年に発表された「トランスユーラシア語族の起源」に関する論文(Robbeets M et al., Nature 2021)がきっかけとなりました。トランスユーラシア語族とは、日本語、韓国語、ツングース語、モンゴル語、チュルク語などユーラシア大陸に広がる言語群(Google・AIによる概要)です。今回、東アジア地域由来のEBウイルスゲノム塩基配列の系統樹解析により、日本、韓国、中国北部由来のEBウイルス株に類似性を認めること、上咽頭がん流行地域(中国南部)ウイルス株と比較すると特定の溶解感染遺伝子群に塩基配列多型が認められること、モンゴル株は日本・韓国・中国北部型に分類されることを見出しました。論文ではトランスユーラシア語族に受け継がれているEBウイルス株を「トランスユーラシア株」と呼ぶことを提唱しています。